「脂肪はなくてはならないものだが・・・」

 脂肪は、ただの悪者ではない。体脂肪は、脂肪細胞という、丸い玉のような形の特殊な細胞の集まりで出来ているが、もし、この脂肪細胞というものがなければ、どうなってしまうだろうか?

 まず第一に、余剰エネルギーを貯蔵できなくなってしまう。

 脂肪細胞は、余剰なエネルギーをストックする袋である、油滴というものを持っていて、この中にエネルギーが脂肪という形で蓄えられる。だから、脂肪細胞がなくなってしまうのは、食料保管倉庫がなくなってしまうことに等しいい。
 
 第二に、食欲や性欲のコントロールが効かなくなる。

 これは、どういうことかというと、実は、脂肪細胞からは、多くのメッセージ物質と呼ばれるホルモンが放出されていて、それらのことを総称してアディポサイトカインという。このアディポサイトカインは、600種類ほどあると言われているが、

 その中で重要なホルモンとして、レプチンという物質がある。

 別称、肥満ホルモンと言われるこのホルモンは、食欲をコントロールするホルモンなのだ。
 脂肪細胞は、もう充分エネルギーを吸収したよという情報を、レプチンというホルモンにのせて脳内に送る。このメッセージを脳(視床下部)が受け取ることで、食欲が制御され、収まるのだ。脂肪萎縮症という病気があるが、この病気では、正常にレプチンが、脳に送られないので、無制限に食欲が暴走してしまう。
 レプチンが、正常に分泌し、かつ正常に脳に送られることで、食欲も性欲も正常に働くのだ。
 さて、では、脂肪細胞がそんな重要な役割を担っているなら、別に痩せなくてもいいではないか、ということになるが、それは、とんでもない間違いで、脂肪細胞が、ありすぎると非常事態が体内で発生してくる。その、重要なカギを握るのが、

 TNFαというメッセージ物質だ。

 このTNFαが、メタボリックシンドロームと呼ばれる現代病にも通じてくるやっかいなホルモンなのだ。

 「皮下脂肪と内臓脂肪」

 メタボリックシンドロームの特徴として、腹回りの脂肪がよく指摘されるが、同じ腹回りの脂肪でも皮下脂肪と内臓脂肪に分けられる。さて、では、この二つの脂肪のうちどちらが身体にとってよくないものだろうか?

 それは、圧倒的に内臓脂肪である。

 皮下脂肪は、女性のほうがつきやすい。それは、女性の身体が、エネルギーを貯蓄しやすい構造をしているからである。つまり、皮下脂肪は広域にわたるエネルギー貯蔵倉庫群といえる。
 内臓脂肪とは、その名の通り、内臓の周辺に脂肪が蓄積した状態のことで、この状態は、高血圧、高脂血症、高血糖という生活習慣病の悪路となっている。
 さて、この内臓脂肪がついた状態では、体内でどのような事態が発生するか?
 実は、この内臓に蓄積された脂肪からは、あるホルモンが大量に放出されている。

 それが、TNFαだ。略して、腫瘍壊死因子。

 これは、白血球であるマクロファージが主に産生するサイトカイン(警報物質)の一種で、その名の通り、悪性腫瘍に対して、出血性の懐死を誘導する因子として発見された。いわば、免疫細胞の武器でもある。が、このようなサイトカインが、大量に産生されると、それは炎症性サイトカインとなる。
 正常な量であれば、癌細胞の破壊、傷の治癒、ウイルスなどの排除などの効果があるが、過剰に分泌されると、炎症を引き起こす、動脈硬化や、糖尿病のリスクを高めるなどの悪影響をもたらすのだ。
 では、一体どうして、内臓脂肪の周りでは、このTNFαが溢れかえってしまうのか。状況を説明すると、

 脂肪細胞は、自らに取り込めなくなるほど糖分が溢れかえると混乱し、何か敵がやってきたのではないかと錯乱状態になり、免疫細胞たちに助けをもとめるべく、警報をならす。それが、TNFαという形の情報物質によって行われる、というわけだ。

 この大量のTNFαは、血流にのって、体内を巡回している免疫細胞たちに何らかの危機として伝達される。体内は、非常事態状態となり、あちらこちらで、マクロファージなどの貪食細胞が、血眼になって敵を探し回る。しかし、実際には細菌やウイルスなどの明確な敵はいない。にも関わらず警報は鳴り続けているので、ますます、免疫細胞自体も狂乱状態となり、手当たり次第に敵らしきものを貪食し始める。たとえば、血管に付着したコレステロールなどだ。
 内臓脂肪が過剰な身体は、コレステロールも過剰にあるので、貪食細胞たちが、次から次へとコレステロールを貪食していき、その果てに、食いきれなくなった彼らは、次々と爆発していき、体内に有害物質をまき散らすことになる。これが、炎症の原因だ。血管壁などに沈溺した免疫細胞の死骸は、さらに、心筋梗塞などの原因となる。
 コレステロールの付着より、実は、こちらのほうが怖いといえる。この循環を起こすのが内臓脂肪なのだ。

 過剰な内臓細胞は、過剰な警報物質TNFαを生み出し、体内を危険にさらす。

 付け加えると、肥満の人の脳は、脳にレプチン耐性というものができてしまっている。もう充分エネルギーを補給したよという情報が届きにくくなっているのだ。なので、食欲の抑制がなかなか、効かない。肥満を解消するためにまず、最初にすべきことは、

 内臓脂肪を減らすこと、である。

「ラクトフェリンと内臓脂肪」

 LION㈱において、ラクトフェリンと内臓脂肪に関する社内臨床実験が行われた。内臓脂肪肥満がが疑われる社外の被験者を対象にプラセーボ対象として、ラクトフェリンの内臓脂肪低減効果を二重盲検群間比較試験にて検討された。つまり、プラセーボ効果(思い込みや、信念は身体に影響を与える。医者がこれは薬ですといって与えた小麦粉を飲んでも病気が治ってしまう場合がある)を考慮した状態で、なおかつ、実験者自体も、被験者に何を与えているのかわからない状態。
 その結果、
 
 ラクトフェリン腸溶錠を八週間摂取することで、プラセーボ群と比較して有意な内臓脂肪低減効果が認められた。
  
 一方、皮下脂肪に関しては、プラセボ群と比較して有意な低減効果が認められなかった。つまり、ラクトフェリンは、内臓脂肪に特異的に作用すると考えられた。
 ラクトフェリンは、通常、胃のペプシン効果によって、分解されてしまう。すると、この内臓脂肪低減効果が、失われてしまうと考えられているため、特殊なコーティングを施したラクトフェリン腸溶錠が、内臓脂肪を減らしたい場合には有効だと考えられる。
 このコーティングによって、ラクトフェリンは胃では分解されず、腸まで届く。
 脂肪細胞を減らすには、まずは運動、規則正しい生活、食事が基本だが、ラクトフェリン腸溶錠というアクセントをつけることで、その効果やスピードも変わってくるだろう。

 

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