「健康な肌とは?」

 皮膚は、大まかに表皮、真皮、皮下組織の三層に分かれている。さらに、表皮は、角質層、顆粒層、有棘層、基底部に分かれ、真皮は、乳頭層、網状層に分かれている。一番外側の角質層の外側には、皮膚膜がある。
 すべての層は、それぞれに役割があり、そのそれぞれにその役割を遂行する細胞群がいる。
 では、もし、肌を健康に保ちたければ、どの層に働きかければいいだろうか?

 それは、真皮にある網状層だ。

 この真皮の大部分を占める網状層こそ、肌の張りや、弾力を生み出すもととなる成分を蓄えている層なのだ。その主な成分とは、
 
 コラーゲン、エラスチン、基質である。

 この中で、最も重要なのはコラーゲンで、皮膚という構造物の土台となるタンパク質だ。三重らせんで編み上げられたこのコラーゲン組織に絡みつくようにしてエラスチンが、伸縮性を付加する。そして、その隙間を埋めるようにして、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸を含む基質というゲル状の成分が、全体を補強している。こうやって、三つの成分が組み合わさることで、肌の張りや弾力というものを生んでいるのだ。だから、コラーゲン組織がしっかり形成されなければ、肌の張りもなくなるし、厚さも薄くなってしまう。肌のくぼみやシワは、基質が足りなくなったことで、コラーゲン繊維の間に隙間ができてしまうことで起こる現象だ。
 だから、健康な肌を保ちたければ、この層に働きかけることが重要なのだ。では、コラーゲンや、エラスチン、基質を生み出しているこの層に住んでいる細胞とは、どんな細胞なのか?

 それが、線維芽細胞である。

 実は、肌の老化とは、この線維芽細胞が年とともに減っていってしまうことによって起こるのだ。だから、できるだけ、この線維芽細胞たちが、元気よく活動できる環境を保ってやらなければ肌の老化を抑えることはできない。そのための一つの手段がラクトフェリンである。

「ラクトフェリンと線維芽細胞」

 線維芽細胞は、環境からの信号によって、細胞内で真皮を形成するたんぱく質群である、コラーゲン、エラスチン、基質などを生成する。コラーゲン組織は、三重らせん構造という強固な構造をしているが、ビタミンCという補因子がないと、この三重らせんの構造をうまく作れない。ビタミンCが肌にいいといわれるのは、このためである。
 
 だから、線維芽細胞に、まずは十分に与えてやらなければならないのは、ビタミンCである。

 そして、多機能たんぱく質であるラクトフェリン。ラクトフェリンは、彼らに働きかけ、彼らを活性化させ元気づけることが分かっている。

 その効果は、直接的な塗布によって向上する。

 だから、化粧水などを使う場合は、上辺だけを整えるものではなく、本当に肌の健康に役に立つ成分がはいっているかどうかを確かめてから使ったほうが良いだろう。その一つの成分として、ラクトフェリンはおすすめだ。

→以下ラクトフェリン入り化粧水など
 
エヴィベイス Lfコンセントレイトローション 150ml
 
 高濃度のラクトフェリンが配合されているらしい。そのほか、加水分解されたコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸が含まれている。加水分解は、加水分解法によって分子を細かくした成分で、それゆえに肌への浸透力が高い。コラーゲンなどは、経口摂取しても消化管でアミノ酸分解されてしまうので、あまり意味がない。塗布の場合でも、浸透しなければ意味がないので、浸透力の高い加水分解コラーゲンやヒアルロン酸入りの化粧品を選ぶ必要があるだろう。その他、ラベンダー油や、ゼラニウム油などのアロマオイルが含まれている。これらは、肌の再生効果や、炎症の改善効果などが期待できるらしい。



アクネスラボ 薬用 ローション (化粧水) 思春期ニキビ用 150ml 【医薬部外品】

 ラクトフェリン液が配合されているが、主に、皮膚の角質層などに効果があると思われるローション。多種な植物性由来成分を含んでいるので、非常に肌によさそう。表皮の一番外側にある角質層は肌の生まれ変わりであるターンオーバーに重要な層なので、ここのケアも重要。油性肌を整える効果は、肌の皮膚膜の潤いを保つ効果。ここの水分がしっかりと保湿されることで、肌表面のぷるんぷるんが保たれる。この膜が乾燥などで機能しないとアクネ菌や、その他、いろいろな菌の付着や侵入を許してしまうのでしっかりとケアしたい。


C10 浸透型ビタミンC誘導体10%ローション 120ml

 ラクトフェリンは含まれていない。主にビタミンC補給用。ビタミンC誘導体は、水に溶けやすいビタミンCを安定化させたもの。ビタミンCは、線維芽細胞にとって、必須の栄養素だが、それ以外にも肌のシミ、そばかすの原因となるメラニンの生成を抑制する効果がある。ラクトフェリン入りの化粧水などと併用して使いたい。